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<ちょっとひといき>


映画『アマデウス』ロケ地案内――多くのシーンがプラハで(2016.8/31)
<会員Yさんの投稿>

 チェコスロヴァキア生まれの映画監督ミロス・フォアマン(ミロシュ・フォルマン)の作品に、『アマデウス』(1984年/アメリカ/180分 ※ディレクターズカット版)があります。
 タイトルが示す通りヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトを描いた映画で、アカデミー監督賞・作品賞・主演男優賞・脚色賞ほか受賞、日本でもヒットしました。

 この『アマデウス』は、ロケーション撮影の多くがプラハで行われました。
 ウィーンが舞台の映画なのにプラハがロケ地に選ばれたのは、同じハプスブルク帝国の街で雰囲気が似ており、そのうえウィーンよりも18世紀の面影を濃く残していたからでしたが、フォアマンがチェコスロヴァキア出身であることも大きかったでしょう。
 1968年のチェコ事件後の「正常化」の時代にアメリカに移ったフォアマンは、『アマデウス』のロケで、久しぶりに故国に戻りましたが、ロケ隊や現地で募集したエキストラには秘密警察の人間が多く紛れこんでいたという、社会主義時代ならではの逸話もあるそうです。

 おもなロケ地は、以下のとおり。

ロケ地(一部)

大司教館 宮廷シーン
軍施設(インヴァリドヴナ) サリエリが入っている病院
ヴァルトシュテイン宮殿(写真) 皇帝のためのコンサート他
カノヴニツカー通り68/1の家 モーツァルトの家
等族劇場(エステート劇場) 「ドン・ジョヴァンニ」他
ヴィシェフラットのレオポルト門 モーツァルトの遺体を乗せた馬車が街を出て行く


【プラハ以外】モラヴィア地方のクロムニェジーシュ城/イーロヴェー・ウ・プラヒのヴォイチェフ教会

 プラハを旅したことのある人にはおなじみの、石畳の道に赤い屋根という普通の街角も登場します。
 オペラのシーンが撮影された等族劇場(18世紀は「ノスティツ劇場」)は、1787年1月にモーツァルト臨席で「フィガロの結婚」が上演され、同年10月には自身の指揮で「ドン・ジョヴァンニ」初演。その劇場で撮影された、モーツァルトのオペラのシーンのある、モーツァルトの映画……音楽好き、チェコ好きには見逃せないでしょう。